DevOpsがコネクテッドカーサービスの開発と展開をどのように改善するのでしょうか

WirelessCarはDevOpsによる仕事の進め方を、開発部門と運用部門が統合した2016年から始めました。それ以来、当社の各チームはDevOpsの考え方と実践を継続しており、アジャイルな作業手法を改善しています。ではこれらのチームは、当社がお客様のために行っている業務をどのように促進しているでしょうか？DevOpsはOEM向けのコネクテッドカーサービスの開発と展開をどのように改善できるでしょうか？

DevOpsは情報の分断をどのように埋めることができるでしょうか

開発部門と運用部門が別々に存在する場合、両者はしばしば「混乱の壁」で分断されてしまいがちです。隣接する部門にとっても有効活用できる重要な情報であるにも関わらず、特定のチーム内または部門内にとどまってしまうのです。

伝統的に、開発部門は製品またはサービスを開発してから、展開とサポートのために運用部門に引き渡します。しかしながら、開発プロセスで得られた知識の一部は運用チームに引き継がれないことがあります。同様に、顧客からのフィードバックやソフトウェアの実行性能など運用部門で得られた重要なインサイトが開発チームに還元されないことも起こりがちです。このために、部門間で責任のなすりあい文化が生まれてくるかもしれません。

「混乱の壁」は、さほど害がないように聞こえるかもしれませんが、実際にはコネクテッドカーサービスが本来の機能を発揮したり、改善することを妨げるおそれがあります。DevOpsチームができることは、部門間で生じがちな情報のギャップを埋めることです。つまり重要な情報をより早く入手し、より徹底的に分析し、より効果的に利用できるようにするのです。これは組織やチームの文化をより良いものにし、さらには品質の向上にもつながります。究極的にはコネクテッドカーサービスの向上に役立ち、あらゆる関係者が業務を円滑に進めることにつながります。

たとえば、OEM（とその顧客）からのフィードバックは、既存のサービスをより早く改善するために利用できます。DevOpsチームは、新しいコネクテッドカーサービスの開発、展開、保守、サポートを行う際に、このフィードバックと、そこから得られるインサイトを活用することができるのです

aerial top view of cars driving on the road

OEMとコネクテッドカーサービス開発者が考慮すべき、DevOpsに関する3つの重要なインサイト

WirelessCarはDevOpsを導入して以来、DevOpsチームの構築・発展から生まれる利点と課題を数多く学んできました。特に考慮が必要なインサイトは以下のとおりです。

組織の強力なサポートとともにチームの高い自主性が必要。
コラボレーション、信頼、心理的安全性を支える組織があることが、DevOpsの導入と改善においては重要な要素。
DevOpsの導入とチーム育成は必然的に時間がかかるが、企業にもその顧客にとっても大きな利益をもたらす。

では、こうしたインサイトがDevOpsチームの能力を高めることや、コネクテッドカーサービスの開発と展開の成功にどう結びつくでしょうか？

すべてはチームの自主性から始まります。DevOpsチームは事前に決められた固定のモデルに従って動くのではなく、自律性を発揮しながら、必要な場合は組織によるきめ細かいサポートとガードレールに守られながら、独自の道を進むことが認められるべきです。DevOpsチームが、自らの能力を発揮できる様々な手法を見つけていけば、その過程で幅広い有益な経験が得られるでしょう。

結局のところ、チーム内や他のチームとともに一緒に仕事をする最善の方法を見つけることなのです。

DevOpsチームの開発は継続的なプロセスであるべきです

DevOpsチームは継続的に学び続け、開発し続けなければなりません。そのための最善の方法はチーム内で情報を共有する文化を醸成し、すべての作業から学び続けることです。

DevOpsチーム内で知識と責任が共有されるようになれば、特定の役割や個人への依存度が低くなります。また運用は脆弱ではなくなるため、DevOpsチームは別のコネクテッドカーサービスの運用開発で必ず直面することになるインシデントなどの課題への対応力が高まります。十分な準備ができ能力が高まると、そうした問題を迅速に解決し、さらには予測も行えるようになります。

DevOpsで仕事をするには、チームメンバー全員からのコミットメントが必要です。つまり、自分たちが提供するサービスに対して責任を負い、当事者意識を持つ必要があります。WirelessCarは、PI計画とその他のメソッドを通じて、チームの継続的・永久的な発展を保証していきます。当社はこれまで築いてきた成果を誇りに思っており、お客様とパートナーの皆様にも業界の技術的進歩の最前線に立っていただきたいと願っています。

a group of people sitting in the office and talking

DevOpsとお客様との密接なコラボレーションを通じて、コネクテッドカーサービスを改善し続けます

DevOpsチームを結成し、機能させ、その継続的な発展と改善を保証することは、終わることのない作業です。これは当社だけではなくOEMやその顧客とパートナーにも当てはまります。これは未来へと向かう旅であり、私たちは皆、自らの体験やお互いから学び続けていきます。

WirelessCarのアジャイルな仕事の進め方には、自動車業界における当社のお客様との密接なコラボレーションも含まれています。その最大のメリットは、お客様の課題を深く理解できることです。このため、時間の経過とともに課題の範囲や複雑さが変化しても、その課題を解決するのに役立つコネクテッドカーサービスを開発できるのです。

コラボレーションのレベルが高ければ高いほど、相互に有益なものとなります。これはコネクテッドカーサービスの開発プロセス全体にも言えることで、私たちのDevOpsチームは、これまで以上に高いセキュリティ、品質、安定性を提供できるよう支援しています。技術的な旅は続きますが、お客様が期待する専門知識とオープン性の両方を提供できることを嬉しく思います。当社のDevOpsチームは、フィードバックに要する時間を短縮し、コンセプトアイデアの段階から配備、そして長年にわたるサービスサポートに至るまで、スムーズで安全な開発プロセスに貢献しています。

DevOpsに関する当社の取り組みをもっと詳しく知りたい方は、下記のメールアドレスまで是非ご連絡ください。チームの発展、PI計画、その他の幅広い関連記事もWirelessCarのインサイトブログでご確認いただけます。