コールセンターの担当者はコネクテッドカーデータを活用して、どのように顧客を支援できるのでしょうか?

2024年3月25日

コネクテッドカーのコールセンターサービスをうまく機能させるためには、重要なポイントが2点あります。1点目はコールセンターの担当者に車両に関する明確な情報を提供することと、2点目はドライバーが必要とするときに迅速で優れたサービスを提供することです。では、どうすれば実現することができるでしょうか?WirelessCarでは現在、コールセンターの担当者が顧客とのやり取りを記録、監視、更新するための案件管理ツールとして、新しいコールセンタークライアント(CCC)の開発に取り組んでいます。 これは、当社のコールセンターサービス製品の一部として、自動車コールセンターサービスの複雑化する要求に応えることを目的としています。

ドライバーの要望に応え、コールセンターの担当者に適切な状況を提供する

ドライバーがコネクテッドカーのコールセンターサービスを利用する理由はたくさんあります。それは代替ルートに関する情報提供であったり、その地域のホテルやカフェの所在地などの問い合わせもあります。

しかしその多くは、故障や衝突、その他の緊急事態などにより、ドライバーが困ってコールセンターに連絡するケースです。さらに、自動衝突通知機能による連絡が入ってきます。これは、エアバッグが動作したことによりドライバーや同乗者が意識を失っている場合などでも、自動的に緊急通報するサービスです。このような状況では、コールセンターの担当者は迅速かつ適切な対応が求められ、そのためには状況を正確に把握することが重要です

現在、WirelessCarのコールセンターサービスは、緊急通報後にコネクテッドカーとOEMから提供される車両情報(静的車両データ、車両位置、車両ステータス)をコールセンターの担当者が受信できるようにしています。多くの場合、車両の直近の位置情報を受け取り、車両がどこを走行し、どの方向に向かっているのかを確認することができます。

現在私たちは、WirelessCarが積み上げてきた経験に加え、OEMとサービスプロバイダー各社の経験を活かし、さらに使いやすく、機能豊富なコールセンタークライアントの開発に取り組んでいます。コールセンターの担当者に提供されるさまざまな情報を見直し、改善していくことがこの取り組みの最も重要な側面の1つです。

female agent working in a call centre

コールセンタークライアントがサービス支援の効率化にどのように役立つか

コネクテッドカーからの緊急通報を受信すると、コールセンターの担当者は車両がどこにいるのか、どのような車種なのか、どのような速度で走っているのか、乗員の数、どの方向から衝突があったのか、といった情報を知ることができます。しかし、それだけでは、担当者にとっても現場に駆けつけなければならない緊急サービススタッフにとっても、完全な情報とは言えません。

コールセンターの担当者が明確に必要な状況を把握するために、私たちにできることは何でしょうか?

まずは情報を整理することです。コールセンターの担当者は、真っ先にどのような情報を知る必要があるのでしょうか?ドライバーと会話をしながら知るべきことは何でしょうか?
次に、これらの情報はどのように担当者に提示されるのでしょうか?コネクテッドカーから得られる膨大なデータをそのまま提供したところで、適切なサービスの提供にはつながりません。

こうした理由から、私たちはWirelessCarコールセンタークライアントのWebベースのアプリケーションを完全に書き換えることにしました。これは現在、自動車業界で唯一のデータ可視化構造を含んでいるものです。単なる数値やYes/Noの項目を羅列するのではなく、コネクテッドカーデータをできるだけわかりやすいイメージに変換します。

コネクテッドカーデータを活用した、より良いコールセンターサービスの実現

コールセンターの担当者は、緊急サービスの連絡という困難な任務を担っています。緊急サービスは通常、1件ごとに非常に限られた数の車両とスタッフを派遣し、現場に到着してから必要に応じて追加の支援を要請します。

しかし、コールセンターの担当者が乗車人数が4人で、そのうち2人はシートベルトを着用していなかったこと、エアバッグが作動したことなどが把握できていれば、緊急性の高い状況への対応に大きな差が生まれます。担当者が状況を即座に一目で把握できるように、できるだけ明確に詳細な情報を提供する必要があります。

とはいえ、これはOEMがコネクテッドカークラウドに送信するデータ量に大きく左右されます。データセットが充実すればするほど、より詳細な情報が得られます。私たちはOEMとの対話を通じて、コネクテッドカーデータを最大限に活用できる製品ソリューションを開発し続けます。

コネクテッドカーデータをわかりやすく役立つ情報に変換するには、何をどのように、いつ提示するかなど、さまざまな意思決定が必要です。特にコールセンターサービスにおいては業務の全体像を次のようにさまざまな視点から捉えることが求められます。

  • 現在と将来において、現実世界のユースケースから何を学ぶことができるのか?
  • コールセンターの担当者に必要なスキルセットは何か? 専門知識を最大限に活かし、さらに向上させるにはどうすればよいか?
  • データフローはどうなっているのか、どうすればさらに効率化できるのか?
  • ドライバーと担当者双方のユーザーエクスペリエンスを向上させるにはどうすればよいか?
  • それぞれの国や情勢に応じて、確実にサイバーセキュリティを確保するためには、どのような対策が必要か?
Collision data - Call Center Client

コネクテッドカー向けに最高のコールセンタークライアントを構築

10年以上前に最初の製品を上市して以来、当社のWirelessCarコールセンタークライアントは市場で高い評価を得ています。新しいアップデートでは、さらにモダンなルック&フィールを目指しました。25年間培ってきたコネクテッドカーデータとデジタルサービスの経験とUXに関する専門知識を活かし、使いやすく、必要な情報にすぐにアクセスできるコールセンターシステムを実現したのです。現行システムの実際の使用状況をより正確に把握するため、世界数カ国にある大規模なコールセンターを訪問しました。

データマッピングとデータ可視化の強化により、私たちはコネクテッドカーのデータをもっと自由に活用し、さらに大きなデジタルサービスに活用することができます。将来的なユースケースによって、ワイヤレス・カー・コールセンター・クライアントはさらに進化していくことでしょう。

コールセンターのサービス担当者のワークフローを念頭に置くことで、彼らの仕事を円滑に進めることができ、ドライバーにもより良いユーザー体験を提供することができるようになります。ドライバーは、コネクテッド・カー・サービスをもっと利用したいと思うようになり、それを提供するOEMに対する顧客ロイヤルティを高められます。

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