機械学習はWirelessCarの
コネクテッドカーサービス
の開発に
どのように貢献しているか?

2023年6月29日

機械学習は、コネクテッドカーやソフトウェア定義自動車がその可能性を最大限に発揮するためのデジタルサービスの開発において不可欠な役割を担っています。この記事では、WirelessCarの機械学習への取り組みと、その取り組みがコネクテッドカーサービスの新規開発や改善にどのように寄与しているのか、そしてこのプロセスにおけるOEMの役割について詳しく見ていきます。

機械学習とは?

機械学習は人工知能の一種であり、コンピュータアルゴリズムをハードコーディングするのではなく、一連のデータから学習するようにトレーニングします(つまり、訓練データから適切な戦略を見つけます)。データセットを使用して機械学習モデルをトレーニングします。

「従来のプログラミング」では、プログラマーは問題や課題を分解し、その根本的なパターンを見つけ、課題の解決方法をプログラムに指示します。一方、機械学習では、関連するすべての入力と、予測させたい正しい結果をモデルに与えます。するとモデルが、問題や課題の原因となっているパターンを特定し、結果を正確に予測する方法を見つけ、それを使って答えを生成します。

機械学習はコネクテッドカーサービスをどう改善できるか?

コネクテッドカーやコネクテッドカーサービスの分野では、機械学習はデータ分析に特に役立ちます。コネクテッドカーとそのセンサーは、膨大な量のデータを提供します。これらのデータを分析することで、車両の所有やフリートの管理など、モビリティ全般のあらゆる側面の改善に利用できます。以下にいくつか例を挙げます。

異常検知:機械学習は、異常な動作を検知することで問題の特定に役立ちます。DTC(故障診断コード)レポートを使用して正常パターンと故障パターンの両方をトレーニングすることで、逸脱した状態を特定することができるようになり、迅速な診断、車両の信頼性の向上、メンテナンスコストの削減につながります。

ドライバーのためのより良いデジタルサービス:ドライバーの嗜好や利用パターンは個人を特定して収集または分析されることはありませんが、こうした情報を活用することでコネクテッドカーサービスをより向上させ、利用しやすくすることができます。たとえば、ルーティングの最適化や電気自動車の充電方法の改善などに活用できます。

安全性とセキュリティ:機械学習は、ドライバーの安全と自動車のサイバーセキュリティに対するリスクを検出するのに役立ちます。また、メンテナンス時期などを予測し、より効率的に対応することもできます。

rear view of a car with abstract data visualization

WirelessCarのデータサイエンスおよび機械学習プロセス

それでは、当社の場合、大規模データサイエンスのプロセスはどのようなもので、機械学習はどのような役割を果たしているのでしょうか?

それは、解決すべき問題を特定することから始まります。問題の性質や利用可能なコネクテッドカーのデータに応じて、どのような機械学習技術を使用するかを決定します(詳細は後述)。

収集されたコネクテッドカーのデータは、使用したい機械学習技術に合わせて準備、分析、処理されます。このデータと機械学習モデルは、私たちが解決しようとする問題に対してより正確で有益な答えを提供できるように、目の前のタスクに関連していなければなりません。

機械学習モデルはその後、トレーニングと呼ばれるプロセスに投入されます。そのモデルは用意されたデータを受け取り、データからパターンを見つけ、予測を行い、それを学習し続けます。得られた結果をもとに。私たちは、それを分析し、業務にどのように適用するのが最善か、関係者と話し合います。

WirelessCarはどの機械学習技術を使用しているのか?

WirelessCarは現在、教師あり学習、教師なし学習、強化学習の3つの主要な機械学習方法をすべて採用しています。

教師あり学習は、ラベル付きデータ(つまり、既知の正しい情報がタグ付けされたデータ)を使用して問題を解決するモデルをトレーニングしようとする場合に使用されます。この方法はデータの質が高く、解決しようとしている問題に適切である場合に有効です。具体的な例を挙げると、エンジンの故障を検知するために、既知の故障と修理の日付に基づいた診断トラブルコード(DTC)を使用することが考えられます。

これに対して教師なし学習は、ラベル付けされていないデータを使用して結論を出す必要がある場合に使用されます。特定のパラメータに基づいてドライバーを異なるグループに分類しようとする場合など、データからパターンを分析して見つけるために機械学習モデルが必要になります。最初は、グループがいくつあるのか、どのようにグループ分けするのが最善なのかわかりません。しかし、教師なし学習を通じて、特定のユースケースに最も適したクラスタリング/分類のタイプを見つけ評価できるようになります。

そして強化学習も活用しています。強化学習とは、機械学習モデルが自らの行動に対する持続的なフィードバックを通じて学習することを意味します。自動運転を例にとると、モデルがどれだけうまく「運転」できたかによって、報酬やペナルティを与えることができます。たとえば、障害物に突っ込むと減点されるため、将来そのような行動を避けるように学習します。

group of engineers working on 3D car

機械学習使用時のセキュリティと信頼性を確保

WirelessCarは、データサイエンスと機械学習のパートナーとしてAmazon Web Service(AWS)を選択しました。AWSとのパートナーシップは長期間にわたり、当社のデータはAWSの安全なクラウドサービスに保存されています。機械学習モデルにはAmazon SageMakerとRedshiftを、可視化にはQuickSightを使用しています。

分析するデータは匿名化されていることを強調しておきます。追跡可能なユーザー情報(ドライバーの社会保障番号、車両番号など)は一切保持していないため、機械学習に使用することはできません。加えて当社の機械学習では、そのようなデータを細かく分割したり、詳細な解析を行うことはありません。当社はより大きな視点で、多様なOEMと市場に向けて価値ある製品ソリューションの創造を目指しています。

OEMとともに機械学習の課題を克服する

ここまでの話の中での、機械学習の主な課題は何でしょうか?その課題を克服し、OEMにより優れたコネクテッドカーサービスを提供するにはどうすればよいでしょうか?

1. コネクテッドカーのデータ収集と分析
基本的に、コネクテッドカーのサービス品質の鍵となるのはデータの量です。より多くのコネクテッドカーのデータを利用することで、機械学習プロセスを通じてより優れた分析が可能になります。特定の機械学習プロジェクトにすべてのデータが関連するわけではありませんが、コネクテッドカーサービスが必然的により相互に連携し複雑になるにつれて、新たにサービスを開発する際にはできるだけ多くのデータにアクセスできることが重要になります。

2.膨大な量のデータの取り扱い
比較的小さなデータセットでも数百万台の車両に関連するため、膨大な量のデータを扱わなければならず、非常に複雑なプロセスが必要です。WirelessCarでは、こうした要求に応え、ビッグデータ管理に必要なツールを提供できるテクノロジーにのみ投資し、使用しています。これは機械学習を継続的に強化し、OEMのために(そしてOEMとともに)コネクテッドカーサービスを開発するための前提条件です。

3.OEMとの緊密なコラボレーション
当社とOEMとのコラボレーションが緊密であればあるほど、より良い結果が得られます。機械学習の場合は特に、その傾向が強いと言えます。お客様(さらにはお客様の顧客)のニーズと問題を理解し、それに応じて機械学習モデルをトレーニングしなければなりません。OEMとの協働を通じて、私たちは共に多面的な問題を克服できるだけでなく、将来に向けてより良い準備をすることができるのです。

機械学習を活用して、貴社のビジネスにどのように私たちが働いているのか、もっとお知りになりたい方は、お気軽にお問い合わせください。私の連絡先情報は以下に記載しています。機械学習は広範囲にわたる魅力的なテーマですので、今後の記事で再び取り上げる予定です。それまでは、モビリティに関するインサイトと持続可能性EVドライバーに関するインサイトFREEDOMプロジェクト自動車のサイバーセキュリティとデータプライバシーなどなど、WirelessCar Insightsブログの他の関連記事もぜひご覧ください。

Sami Fatmi
データサイエンティスト